皆さんこんにちは、えみりです!
さあ、今年もアメリカの大学受験シーズンがやってきました。早期出願(Early application)の締め切りは11月1日や15日、一般出願(Regular decision)は1月1日の前後が多くなります。
最近、日本の海外進学イベントなどで講演をする機会があり、やはり高校生のみなさんがアプリケーションのエッセイに悩まされている、という事を実感。
そこで今日は、エッセイの書き方のアドバイスを記事にしていこうと思います。大きくエッセイに求められている事から、良い文法表現など細かいところまで、思いつく限り書いてみようと思います。

あくまでも、今日紹介するのは私自身が大学受験の中でいただいたアドバイスや、自分なりにたどり着いた良いエッセイの書き方であり、正解は一つではありませんので、参考程度に読んでいただければと思います。
1:まず初めに、お手本のエッセイ集を読んでわかったこと
受験のエッセイに取り掛かるに当たって、まず何らかのお手本を見たかった私は、様々な有名大学に合格した高校生のエッセイが載った本を、留学先の高校のキャリアセンターで見つけ、読んでみました。
実際に受験生が書いたエッセイが、その人が出願した全ての大学の名前と、最終的に受かった大学のリスト付きでいくつも載っている本でした。

読んで思ったことは、合格者のエッセイとは言っても、スタイルは本当に様々!
小説を読んでいるかと思うほどストーリー性のあるエッセイもあれば、割と淡々と活動内容が記されているものがあったり。お笑いのセンスがめちゃくちゃあるエッセイもあれば、課外活動中の失敗談を題材にしているものも。何かの世界大会に出た時のエピソードを書いている人もいれば、ごく日常的な地元での出来事について書いている人も。
でも統一して思ったのは、どれも読み応えがある、という事でした。
この「読み応え」とは、エッセイを一本読み終わった前後で、その人に関する知識がゼロだったところから、なんだか相手をよく知れた様な気がする、という感覚でした。
ではその読み応えのあるエッセイを書くのに重要なのは何なのか?
2:自己分析のプロになれ!
まずは、アメリカの大学受験=自己分析、と言って良いほど、アプリケーションの全ての部分において自分の強みを知っていることが重要な鍵となってきます。
アプリケーションの課外活動欄から受賞歴、推薦状そしてエッセイを通して、自分はどういった人間であり、どこが他の人と違うのか。自分がその大学に入学することで大学側にどんなメリットがあるのか。自分の強みがどこにあり、それが今後の活動にどう繋がっていくのか、というのを総合的にアピールしていかなければなりません。
とても抽象的で、だからこそ難しい。
私は自己分析をすればするほど、自分はそんなに他の人と比べて誇れる特別なスキルもないし、突出して面白いキャラクターでもない…と不安になり、受験シーズン落ち込んだ時期もありました(笑)。
でもそんな不安を振り払って、具体的にエッセイのブレインストーミングを進めていくと、逆にエッセイの題材にしたい内容がありすぎて、無限大の切り口があることに気づき、ますます混乱してしまいました。
そこで、どこにフォーカスを絞って書いていけば良いのか。
3:裏付けのあるアピールを中心に
文面上、自分をかっこよく見せることはある意味誰にでもできることです。そこで重要になってくるのは、そのアーギュメントを裏付けるエピソードや何らかの証明になる今までのアウトプットがある事です。
例えば、とても単純な例になりますが、自分はリーダーシップのある人だ、というエッセイを書くとします。
このアーギュメントを信じてもらうには、今までどんな場面でそのリーダーシップを発揮し、それがその場の状況をどう変化させ、最終的にどんな成果が出たのか。自分が所属しているコミュニティにとって、自分の行動がどんなポジティブなインパクトを残したのか、という具体例が必要となってきます。
エピソードを細かく分析し、いろんな角度から見ていくと、一言でリーダーシップと言っても、実際に自分がどう言った働きかけを通してリーダーシップを発揮したのかも見えてくるかと思います。
人前に立ってみんなにやる気を出させるのが上手かったのか。メンバー間のトラブルをおさめるのが得意だったのか。臨機応変に動けたのが良かったのか。とにかく素晴らしいビジョンの持ち主だったのか。
このように、具体的なエピソードを掘り下げていくことで、自分が普段どんな行動をとる人間なのかが、最終的にエッセイを読む試験官の人に伝わると思います。
4:ありきたりなエッセイを避けるにはどうしたら良いのか
ここまで掘り下げていくと、必ずと言って良いほどぶつかる壁。それが、この、「どうしよう、なんだか凄くありきたりなエッセイになってしまった…」という問題です。
特に、他の人もやっていそうな課外活動や高校でのリーダーシップポジションについて書いていると、他の人にでも書けるエッセイになってしまいます。
そこで、大切なのは2点。
1点目は、ディテールと描写の方法で差をつける、です。例えば、先ほどの例に戻りますが、クラスのまとめ役だったのであれば、いったいどんなバックグラウンドの人がいるクラスだったのか。何か行事ごとについて書くなら、アメリカ人の試験官が読んでもイメージしやすいよう、写真を見せる代わりにどんな風景を説明すればその場の雰囲気を理解してもらえるのか。
同じエピソードでも、ただ何が起きたか説明するだけと、実際にその空間にいるかのように描写するのでは、伝わるものが全然違うはずです。
読んでいる人がその世界にのめり込める様な仕掛けを入れると、大まかなエッセイの方向性が似ていても、そのコンテキストが違うことが伝わると思います。

そして2点目は、自分だからこそ感じたこと、考えたこと、観察したことにフォーカスを当てて書くことです。
例えば、同じ空間で同じ出来事が起こっていても、そこに2人違う人がいれば、感じることや考えることは違うはずなんです。同じ部屋にいても、単純に見ているものやその視線の角度だって、違うと思います。
この様に、ただその出来事に遭遇したという話ではなく、自分だからこそ気づいたことは何だったのか?自分だからこそ学んだことはなんだったのか?という点について掘り下げることで、ありきたりなエッセイに、より自分らしいスピンをかけることができると思います。
5:字数制限に引っかかったら、Action Voiceに置き換えろ!
これは、アメリカの高校に留学中、英語の先生に教わったことなのですが、Passiveな表現を全てActiveな表現に置き換える、という手法です。
例えば、
《I was inspired by the beauty of nature.》はPassiveな表現なのに対し、
《The beauty of nature inspired me. 》が同じ状況を表すActiveな表現になります。
同様に、
《The criminal was forgiven by the public.》 がPassiveなのに対して、
《The public forgave the criminal.》 がActiveな表現。
この様に、同じ内容でもActiveな表現を使うことで、よりパリッとした英語で表すことができます。自分についての文章であれば、より能動的な印象を与えることができます。
もちろん文章の流れによってはPassive Voiceを使ったほうがまとまりが良い場合もありますが、基本的にActiveな表現を使うことで、より直接的な文章になり、無駄を省くことができます。エッセイを文字数制限内におさめるのにはとても有効です。
6:Why ◯◯◯ University?にどう答えるか
Common applicationのエッセイとは別に、各大学特有のお題も課されます。その王道が、その大学の志望理由。これにはかなり悩まされました。
私は大学訪問ができないまま受験を迎えてしまったので、各大学について知っているのはほぼネットの情報だけ。
そんな中で私はこのお題を、「ちゃんとその大学について調べた上で本気で出願しているのかのチェック」だと捉えて挑みました。
自分が実際に入学したら携わってみたい研究、参加したい大学の取り組みや利用したいプログラムなんかを具体的に調べ、ちゃんと調べた感が出る様にその名前を一つ二つ入れる様に心がけました(笑)。

また、興味のある学問領域が2つ以上あった場合、この大学ならその両方がしっかり学べる、という点を強調する方法はかなり役に立ちました。
私の場合は、興味のある分野の勉強は複数の大学でできても、それと音楽活動の両方が充実している大学となると数が限られてきたり。興味分野が文系理系や全く違う学部にまたがっていたら、その両方が充実しているのはここの大学しかない、みたいなことを強調しました。
7:勉強したい学問領域がはっきり決まっていなくても、それっぽく書く!
はい、これは実際に私が受験生の時に困った点です。「この大学に入ったら、どんな勉強をしようと考えていますか?」という問いに対して、当時の正直な答えは「まだはっきりと分からないので、AとBとCとD、いろいろ試して決めたいです」でした。
でも、それを書くとあまりにも内容のない曖昧なエッセイになってしまい、勿体無い。そこで、この質問に対しては、勉強したい分野が決まっている風に、なりきって書きました。
ただ、なりきって書いたので、嘘を書いたわけではなく、まだ迷っている複数の選択肢の中から一つを選び、その分野に熱中した場合のシナリオを書いた、という感じです。
ここでも大事になってくるのが、今までの活動歴とエッセイの内容が食い違っていないか。それなりにその興味を裏付ける根拠があるか、です。
私の場合は、高校でやった卒業研究で自分なりに面白いと思って取り組めた分野が一つあったので、実際の研究内容を織り込みつつ、その先にある勉強がしたい、という風に書きました。
当時は他にも勉強してみたい分野がたくさんあり、本当はそこまでこれを勉強します!と断言できるほど意思が固まっていたわけではありませんでしたが、エッセイを書くにあたって一つのシナリオを掘り下げてみたことで、大学で取りたい授業など、より具体的な入学の後のイメージにたどり着くこともできました。
以上、長文になってしまいましたが、大学受験のエッセイにおけるアドバイスでした。私一人の経験から書いてしまいましたが、少しでも受験生の皆さんに役立つアドバイスになっていればいいな、と思います。
プリンストンにもまた後輩が増えれば嬉しいですね!皆さん、応援しています。
それでは。
えみり
ブログランキングに参加しております。こちらをクリックして応援をよろしくお願いします!


