どうも!ご無沙汰しております。しいなです!
キラキラの女子大生でいられるのも、残すところ、あと2か月となってしまいました。
私は、今学期は、プリンストンのキャンパスに戻ってきて、オンライン授業を受けています。
「4月12日に卒論が締め切りなのに、ブログ書いていて大丈夫?」
という、優しい皆様の心の声が聞こえてまいります。
安心してください!書いてますよ!卒論!
…んんんーー言い回しがちょっと古いっ!!!
卒論締め切り20日前のこのタイミングでブログを更新しようと思った理由は、
卒論の完全なドラフト(下書き)が日曜日に終わって、とてもとてもハッピーハッピー!!だからです。
お祝いに、ぽたぽた焼きを2枚食べました。ささやかです。
まだドラフトの段階なので、ここからたくさん修正をしていくのはわかっています。
でも、最悪、この状態のままで出してもいいかもしれない、というクオリティの、77ページのものが仕上がったので、精神的にも時間的にも、かなり楽になりました。
ただ、今年に入ってからの3か月は、なかなか前に進めず、「うぅ…。」という気分を味わいました。今日のブログでは、卒論の進み具合を軸に、1月からのプリンストン生活を振り返っていきたいと思います。
少々長い旅になります。お付き合いくださいませ。
1月末 渡米、隔離期間
久しぶりのアメリカ、しかもコロナ禍、ということで、かなり緊張しながら渡米しました。
ニューアークの空港からプリンストン大学までUberで向かい、寮に入ります。
渡米後一週間ほどの、寮の部屋での隔離期間中の食事は、近くのキッチンカーのようなワゴンに、昼と夜にお弁当を取りにいく形式。今スマホの記録を見返してみると、1日の移動距離は200mほど…!缶詰め状態で、卒論に集中することに決めていました。

(ちなみに、大学でもらえる水はほぼすべて缶に入っています。授業中は、チューハイに間違われても嫌なので、飲めません。。。)
隔離期間での私の目標は、ずばり、「ほぼ卒論を終わらせること」でした。
卒論の構成は、
1.Introduction(序文)
2.Background (問題の背景)
3.Literature review (すでにある文献の研究、まとめ)
4.Data/Methodology (自分の仮説の検証方法)
5.Results (仮説検証の結果)
6.Discussion and Policy Implication (結果の議論と政策提言)
という形になっており、私は、隔離期間中に、2,3と、5のためのデータ分析を行う、というつもりでいました。
これらのセクションが、卒論のコアになってくるので、そこが終われば後は楽だと思ったのです。
ただ、見積もりと、研究というものへの理解が非常に甘かった。データの分析が、なかなか終わらないのです。
というのも、私が今までやったことのある分析は、授業で出された課題に対して答えを出すというもの。
今回は、自分で問いを立てて、それにこたえられるような分析方法を探し、結果を出すというもの。
プログラミングの仕方を忘れている、という問題もありました。ただそれ以上に、回帰分析やデータのグループわけを行ううちに、仮説が違うぞ?とか、そもそもの問いが良くないぞ?など、問いも、分析も、答えも揺らぎまくるという循環が起こってしまい、なかなか前に進めずにいました。
授業で、出されたものを受動的に処理することと、自分で研究をすることの難しさを身をもって知った一週間でした。
2月 授業開始
4年生の春学期は、卒業の単位が足りている人は基本的には2科目を履修し、ほかの時間は卒論や「大学生活の謳歌(?)」に充てます。
私も、単位は足りているので、とりあえず4教科を登録し、1週間授業を受けてみて、そのうち2教科を選ぶ、というつもりでいました。ただ、結果的にはどれも捨てがたくて選び損ねてしまい、結局、3つ履修、1つ聴講(audit)、というスケジュールに落ち着きました。
自分が特に興味のある授業がどれかを選ぶために、教授のオンライン・オフィスアワーに行ったものの、みんな本当に面倒見のいい先生で、”Please come to my office hour regularly, okay?” と言われ、そんなこと言われたら落とせへんやん。という状況になりました。特に、イケメンの先生の”okay?”には一撃でやられてしまいました。
というわけで、今履修している授業は以下の通りです。
1.中国語中級(CHI107)
オンライン授業で、あまり人と話さない中、3~6人ほどの少人数で行われる中国語の授業は、「私は何らかのコミュニティにちゃんと所属しているんだ」という安心感も与えてくれる、最高の時間です。
2.健康に関する心理学 (PSY317 Health Psychology)
たばこはなぜ体に悪いか、なぜアメリカ人はジャンクフードを食べまくるのか、など、健康に関する幅広い分野を、脳の働きや心理学的側面から学んでいます。
3.中国政治(POL362 Chinese Politics)
授業の評価が例年とても高い授業。その評判通りのクオリティです。20世紀の中国の政治の歴史を把握したうえで、政治学的な観点から、現在の中国の様々な側面について学びます。期末試験で成績のほぼ半分が決まるのですが、8時間のエッセイのテストらしく、びびりまくっています。
4.アメリカの政策立案 (POL329 Policymaking in America);聴講
将来政治家になりたいので、知っておくべきことが色々ありそうだなと思って取りました。理論だけでなく、実際にどうやって政策が作られていくのか、学生たちが主体となって実践練習も行う、刺激的な授業です。
初めは、市民団体に注目し、実際にどうやってロビー活動を行うか、どうやって政治家と交渉するかのデモンストレーションをおこないました。
次は、自分たちがメディアの視点に立って、記者会見で政治家に質問をして、いかに、「欲しい答え」を引き出すか、また、政治家の立場からは、どうやって質問から逃れるかを演習しました。
と、ここまではよかったのですが、だんだん難しくなってきて、、、。
というのも、もちろん、アメリカ政治の授業なので、これらの演習は、アメリカの議会の仕組みや法案の通り方が分かった前提で進みます。私も過去にアメリカ政治の授業を取っていたので、一応理解はしているつもりだったのですが、「例えばOO議員がXX議員にこう言ったとき、、、」のような例が出てくると、ことごとく「それは誰だ。」という状況に陥ってしまい、ついていけなくなってきました。
ただ、理論や交渉術などのテクニックについては、アメリカの文脈に限らず、普遍的なことを学べるので、単位としてではなく、聴講生として参加しています。
2月中旬 卒論の停滞
2月は特に、卒論の進みが遅く、とても焦っていた時期でした。その過程で、2つの壁にぶつかり、今は無事乗り越えた(乗り越える気の持ちようを知った)と思っています。
1.「努力の量と成果物が対応しない」という壁
「頑張ったからといって成功するわけではない」というのは悲しいことに往々にしてある話ですが、今回のは少し違う感覚でした。
というのも、大学受験やその他のコンテストなどで、頑張ったのに望んだ結果が得られなかった、というのは、努力に加え、運や縁や、競争相手などの外的要因も絡む話だと思います。
でも、私が大学生活でこなしてきた課題やindividual studiesでは、本を読めば読んだ分だけ、確実に、ペーパーが書けたし、考えれば考えるほど書くことが増え、確実に、ページが埋まっていきました。
ただ、今回の卒論では、ずっとずっとデータをいじってプログラミングをしているのに、出てくるのは大量の数字や表だけで、どれをどう使えばいいのかが固まらない。頑張るほど、書くことが見えなくなっていって、2週間で1ページも書くことができない、という期間もありました。
今までと違う。その焦りで、少しイライラしてしまうこともありました。
そんな中、同期のまほとご飯を食べた時に「データの分析の進み方のカーブは、直線的じゃないから」と言ってもらって、かなり気持ちが楽になりました。確かに、ある度花粉がたまってはじめて花粉症が発症するように、データの分析を一部分終えただけでは成果はなくても、その積み重ねが最後にドーンと出てくる。データ分析というのはそういうものだ、というのを認識できたことで、落ち着いて、緻密に考えることができるようになりました。
自分でいろんな研究をしている後輩や同期たちはもうそんなことはわかってるんだろうな、と、早く結果を求めすぎている自分が情けなくもなりましたが、これも勉強、成長、経験!
2.「振り出しに戻ってしまう」という壁
1つ目の壁を乗り越えたのはいいのですが、せっかく、ある程度データの分析をしたのに、アドバイザーと話した結果、それを1歩目から見直すことになったり、「しいなが使っているRという分析ソフトはあんまりわからないからstataというツールに変えて」と言われたり。ここに来て1からやるのか、という焦りと、今までやってきたことは何だったの?という虚無感でいっぱいになってしまいました。
「今までやってきたことがあるから、あなたは自分のデータをちゃんと理解していて、ここから先はもっと意味のある分析ができるわよ」と言ってもらったものの、フラれたときに「もっといい人がいるって」と言われた後のような感情になってしまいました。「そうはおっしゃいますけど、、、ねぇ…?」という、アレです。
でも!!!!いざ、新たに一歩目を踏み出してみると、たしかに、1回目の一歩目とは違う感覚がありました。アドバイザーすごい。
「あれ、そもそものところがこういう方向にズレているぞ」という具体的な気づきが得られたり、因子どうしの関係性がクリアになっていたり。なんやかんやと停滞していた数週間は、私の頭の中にそれらの気づきを与えるために必要なインプットの時間でした。
それをはじめからわかっていたら、あんなに焦ることはなかったと思うのですが、この先同じような状況になったときに、このマインドセットを使えるように準備しておきます。
『サイコロを振り間違えて ふりだしに戻されても痛くない 次の一歩は別物でしょ』
UNISON SQUARE GARDEN の曲、「mix juiceのいうとおり」の歌詞が心に沁みます。https://www.youtube.com/watch?v=VKLkeOmxim4
Coffee break ~ Thesis Friday
ちなみに、大学学生会は、卒論を頑張る4年生のために、あれやこれやとプログラムを作って応援してくれています。「Zoomしながらみんなで書こう会」や、「毎週目標立てたら賞品当たるかもキャンペーン」などがありますが、その中でも私のお気に入りは、Thesis Fridayというイベントです。町のカフェ支援の一環として、毎週金曜の朝にカフェに行くと、5ドルまでの飲み物を無料でゲットできます(お金は学生会負担)。
私はコーヒーを飲まない(苦くて飲めない)ので、このイベントで初めて、アメリカのスタバに入店しました。
メニューが多すぎて選べず、見かねた店員に助け舟を出され、「すみません、スタバ初めてなんです」と言うと、それを聞いた周りのお客さんが一斉にこちらを振り向きます。
こ、こいつ、スタバ初めてだと!?
今までどうやって生きて来やがったんだ、感心するぜ!
さあ、何を頼むのか、見届けてやろうじゃねぇか!
心の声が聞こえてきます。
結局、コーヒーを頼もうとはしたものの、直前でビビってしまって、「ストロベリーアサイー」のベンティサイズを頼みました。一番大きいやつです。アイパッドミニより大きかったです。
2回目のスタバでも、結局冒険できずにストロベリーアサイーのベンティ。
3回目のThesis Fridayは、すごく寒い日でした。温かい飲み物を、と思い、あたたかそうな名前だったので「ストロベリーフラペチーノ」を頼んだら、いきなりコップに氷をガシガシ入れられました。そのあとは、イチゴやホイップが追加されて、シェイクのようなものが出来上がっていくのを無表情で見つめるしかありませんでした。
今思たら冷たそうな名前してるわ。
また、温かいことを確認したうえで、キャラメルマキアートを頼もうと思ったときもありました。自分の部屋で何回か発音を練習するという用意周到さでした。生まれて初めて言葉に出す単語は、練習が必要です。マキアート、の部分は、ピアーノ、と同じ感じだな、というところまで確認しました。
しかし!準備万端でスタバに行くと、「大学側にまだお金もらってないので今日は無理です」と言われ、とぼとぼと店を後にしました。ノーキャラメルマキアート。
が!運よく、ほかのカフェで無料のバニララテと、謎の風船をゲットすることができ、大満足で寮に戻りました。

風船が好きなので、るんるんでもらって帰りました。今は、お肌のハリやツヤがなくなり、しぼみにしぼんでいます。
また、先日は、風船をくれたカフェで、まだ試せていないマキアートを頼んでみることにしました。すると出てきたのは、手のひらに収まるようなコップ。ちっちゃ!試供品!?
とは思ったものの、飲んでみると、究極の濃さ、苦さ。しかも、お砂糖が入っていません。そういうものらしいです。
初めは、ちっちゃ!とか思っていたのに、もはや、どう飲み切ろうかというレベルです。ただ、このカフェインのおかげで、作業はかなりはかどりました。
3月 大学生の特権と、卒論の進展
中間テストも、まあ、うまく行き、卒論提出まで1か月ほどとなった3月。
締め切りが近いとはいえ、せっかくなので大学生という身分だからこそ自由に挑戦できることもしようという気持ちが生まれてきて、いくつかのアクションを起こすことができました!
まず、日本社会の授業を取ったときにお世話になった教授と、論文の相談にずっと乗っていただいている大学院生の方が行っているプロジェクトのリサーチアシスタントをさせてもらえることになりました。「文献のまとめがとても役に立ったよ!」とか、「そのポイントとても大事だ、ありがとう」など、微力ながらも貢献できているような気がしています。少しでもアカデミックな世界の一員になれた感覚があり、とても嬉しいです!
社会にまだ何もインパクトが与えられていない身として、世に出る研究に少しでも貢献できているというのは、本当に嬉しいです。
また、バンドの先輩の友達で、音楽大学に通っている女の子と共同で作詞作曲をして音楽コンペに出してみよう!ということにもなりました。
ほかにも、毎日好きな漫画の絵をシャーペンで描いてみたり、麻雀のやり方を学んでみたり、左手で文字を書く練習をしてみたり。1dayアイデアソンや、Zoomのウェビナーにも参加してみています。
そのような新たなことをやってみるなかで気持ちの余裕が生まれてきたのか、気持ちの余裕ができたからそういうことをし始めたのかはわかりませんが、3月中旬、卒論の道筋が見えてきました。
ここまで来たら、ちょっとずつコツコツというよりかは、勢いで一気に仕上げてしまおう。
ということで、先週、4日間くらいかけて、約50ページを書き上げ、それ以前の25ページと加え、77ページのドラフトが仕上がりました!!
ただ、ここで気が緩んでしまうと、修正も甘くなってしまい、知恵熱とか疲れとかもドッと出ちゃうかもしれないので、ますます気を引き締めて、論文提出まで引き続き、頑張ろうと思います。提出の折には、ポッキーでも食べようかと思います。
無事提出したら、またご報告致します。
では、また、近々!
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